墓石の赤い汚れは「赤錆び」が原因|赤い汚れを落とす方法や注意点、対策まで徹底解説!

墓石の赤い汚れは「赤錆び」が原因|赤い汚れを落とす方法や注意点、対策まで徹底解説!
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墓石に付着する赤い汚れは主に「赤錆び」であることが多いです。赤錆びがついたお墓は見た目にも悪く、いかにも手入れができていない印象を与えます。そこで本記事では、墓石の赤い汚れの原因や要因、汚れを落とす方法、注意点について詳しく解説します。

墓石の赤い汚れの原因は「赤錆び」

墓石の赤い汚れの原因は「赤錆び」

墓石に生じる赤い汚れの原因の多くは「赤錆び」によるものです。赤錆びは金属の腐食から発生する赤みがかった錆で、多くの方が一度は目にしたことがある現象でしょう。

多くの人が錆びと言えば鉄を連想するかもしれませんが、墓石にも鉄分が含まれている場合があります。100種類以上あるとされる石材ですが、大きく次の4種類に分類できます。

  • 花崗岩
  • 安山岩
  • 閃緑岩
  • 斑レイ岩

中でも、花崗岩には赤錆びの原因となる鉄分が多く含まれていることが知られています。

墓石に赤錆びがつく3つの要因

墓石に赤錆びがつく3つの要因

墓石に赤錆びがつく要因として次の3つが挙げられます。

  • 墓石の経年変化
  • お供えからの繁殖
  • ワックスの油染み

それぞれの詳しい内容を解説します。

要因1.墓石の経年変化

墓石が赤くなる原因として、鉄成分の多い墓石の経年劣化が挙げられます。錆は酸化の結果として現れ、時間が経つにつれてその範囲は拡大します。

特に、墓石が赤く変色する赤錆は、他の錆びに比べて発生しやすい性質を持っています。そのため、完全にその発生を防ぐことは困難です。

さらに、選ばれる石材の中には耐久性の低いものも含まれており、このような石材は錆だけでなく、他の形の劣化も進行しやすくなります。石材の選定については主に業者が判断するため、購入者側での選択や判断は難しい状況があります。

要因2.お供えからの繁殖

墓石の錆びの原因として、お供えが載せられた場所に錆が形成され、それが墓石に繁殖することが挙げられます。特に、墓石の上に置かれた金属製のロウソク立てが錆びた場合、その錆が墓石に移りやすいです。

また、お供えの食べ物がカビた際にそのカビ菌が墓石に移ると、カビと錆びの混在した特異な状態になることも考えられます。さらに、サビた卒塔婆が墓石に寄りかかると、その部分から墓石が錆びるケースも少なくありません。

要因3.ワックスの油染み

墓石の美観を維持し、より長持ちさせるための手段として、ワックスがけが一般的に行われます。ワックスがけを墓石に施すと、いくつかの利点が得られます。

まず、光沢が増して墓石の表面が滑らかになるため、汚れが付着しにくくなります。また、ワックスの撥水効果により水の吸収が低減され、墓石が湿気で劣化するのを防ぐ効果もあるのです。

一方、ワックスの種類や使用方法を誤ると、逆に墓石を傷める原因となることもあります。特に、身近にあるカーワックスなど、墓石用でないワックスを使用すると、ワックス中の油分が墓石に染み込み、ムラや油染みといった不均一な仕上がりになるケースがあります。

墓石の赤い汚れを落とす3つの方法

墓石に赤錆びがつく3つの要因

墓石の赤い汚れを落とす方法として次の3つが挙げられます。

  • サビ取り洗剤で除去する
  • お墓のクリーニング業者に依頼する
  • クエン酸水で除去する

いずれも自分で実施できるものばかりです。それぞれについて解説します。

1.サビ取り洗剤で除去する

最初に考えるべきサビ落としの基本的な方法は、サビ取り洗剤を使用してサビの部分をきれいにすることです。これらの洗剤はホームセンターやネット通販で手に入れることができますが、すべての洗剤が墓石の石材と相性がいいわけではありません。

実際、多くの人は自分のお墓に何の石材が使用されているのかを正確に知らないでしょう。そのため、墓石にダメージを与えないようにするためには、使用前に石材店やホームセンターのスタッフに相談して、適切な洗剤を選ぶことが大切です。

2.お墓のクリーニング業者に依頼する

「年齢や時間の問題で清掃が難しい」や「専門的な洗浄を必要とする」といった場合は、石材に合わせた適切な洗剤や方法を知るクリーニング業者への依頼がおすすめです。

多くの業者は、墓石屋としての役割も持っており、お墓の特性や石材の種類に合わせたサービスを提供しています。基本の洗浄だけでなく、付帯サービスとして、吸水を防止するコーティングの施工や、文字のくぼみをはっきりさせる塗装、さらには墓域のアクセサリーの追加や交換など、さまざまなサービスが提供されています。

費用の相場は、基本的な洗浄においては2万5千〜4万円程度、より詳細なサービスを含む場合は3万〜10万円程度となります。ただし、墓石の大きさや種類、さらには付帯サービスの内容によって、価格は変動します。

3.クエン酸水で除去する

クエン酸水で除去する方法もおすすめです。まず、クエン酸と水を組み合わせて、クエン酸水を調合します。

そして、500mlのペットボトルに水を満たし、それにクエン酸を小さじ4杯(約5g)加えてよく振って混ぜてください。そのクエン酸水をメラミンスポンジにしみこませ、水垢が目立つ墓石の部位をきれいにします。

水垢を取り除いたら、水でしっかりと洗い流しましょう。クエン酸を残すと、新たな汚れを引き起こす可能性があるため注意が必要です。

墓石の赤い汚れを落とす際の注意点は3つ

墓石の赤い汚れを落とす際の注意点は3つ

墓石の赤い汚れを落とす際の注意点として、次の3つが挙げられます。

  • 擦り洗いはできるだけ避ける
  • 家庭用洗剤の使用は避ける
  • しっかりと乾拭きをする

それぞれの詳しい内容を解説します。

1.擦り洗いはできるだけ避ける

墓石は繊細で、その管理は予想以上に注意が必要です。擦り洗い、特にたわしや硬めのブラシを使用すると、表面に傷を付けるリスクが高まります。

傷がつくと、表面のコーティングが剥がれやすくなり、その結果、墓石の美しい光沢を失うことがあります。さらに、傷がコケやカビの繁殖の原因となる恐れもあります。

先祖代々の価値あるお墓を未来へと受け継ぐためには、コーティングをしっかりと保護することが重要です。万が一、傷や汚れが気になる場合は、専門業者に清掃を依頼するのが最良の選択といえます。

2.家庭用洗剤の使用は避ける

水洗いだけでは落とせない墓石の汚れを取り除くために洗剤の使用が効果的です。しかし、墓石の種類が不明な場合、家庭用の洗剤を使用するのは推奨されません。

特に、カビを取り除くためにハイターやその他の塩素系の洗剤を使用することは、墓石を傷つける可能性があるため、避けるべきです。不明な墓石の種類に対しては、専用の洗剤を使用して掃除することで、安全にお手入れが可能です。

3.しっかりと乾拭きをする

日常のメンテナンスや清掃作業の最終ステップとして「乾拭き」も欠かせません。なぜなら、金属や石材などの素材は水分や湿度に対して敏感で、赤サビや黒サビという形での腐食が生じやすいからです。

サビは、金属の表面が酸素と反応して酸化することで形成されます。水分が存在すると、この酸化反応が促進され、赤サビや黒サビが生じやすくなります。赤サビは鉄の酸化で、表面がふくらんで剥がれやすくなる一方、黒サビは鉄のさらなる酸化で、比較的に硬く密着しています。

特に、彫刻や刻印が施されている部分、石の接合部分などの細かい隙間や凹凸は水分が残りやすく、これらの部分からサビや劣化が始まることが多いです。そのため、これらの部分を特に念入りに拭き取ることで、長期的なダメージを予防できます。

墓石の赤い汚れを防ぐ3つの対策

墓石の赤い汚れを防ぐ3つの対策

墓石の赤い汚れを防ぐ対策として次の3つが挙げられます。

  • 定期的に掃除をする
  • お供え物は持ち帰る
  • 錆びにくい墓石を選択する

それぞれの詳しい内容を解説します。

1.定期的に掃除をする

こまめな掃除は、墓石の美しさを長期間保持するうえで非常に効果的です。特に高価な墓石は、その素材や彫刻が複雑であることが多く、細部までの手入れが必要となります。

しかし、放置すると汚れや藻類が付着し、その美しい姿を損なってしまいます。何年もの間、手入れを怠ると汚れは固定化してしまい、掃除が困難になります。

逆に言えば、定期的に手入れを行えば高級な墓石でない場合でも、その美しさを長く保つことが可能です。定期的な掃除は、汚れや藻の付着を予防するだけでなく、石自体の劣化を防ぐ効果もあります。

墓石は先祖代々の思い出や歴史を伝える重要な役割を果たしています。未来の世代にもきちんとその価値や意味を伝えるためにも、定期的な掃除が欠かせません。

2.お供え物は持ち帰る

墓参りの際、故人のためのお供え物は、遺族や親しい人々の心からの尊敬と敬意を示すものです。しかし、お供え物にはその後の取り扱いに注意しなければなりません。

なぜなら、お供え物が墓石や墓地に放置されることで、墓石の材質に影響を及ぼす可能性があるからです。具体的には、放置されたお供え物から錆やカビが発生し、それが墓石に取り付くことで、石の劣化を早める恐れがあります。

特に注意すべきは、鉄分を含むお供え物です。鉄分は水分や酸素の影響を受けやすく、これが原因で墓石上に錆を形成する可能性が高まります。墓石を長く綺麗に保つためにも、お供え物は持ち帰るよう心がけましょう。

3.錆びにくい墓石を選択する

錆びにくい墓石を選択することも赤い汚れを防ぐ対策の1つです。特に、インド産の「アーバングレー」などはその良い例といえます。吸水率が他の石と比べて低いため、水に対しての利点が多く見られます。

しかし、墓石には一般的に何らかの鉱物が含まれているため、長期的な美しさを保つにはお手入れをこまめに行うことが不可欠です。定期的なメンテナンスと適切な選択が、墓石の美しさを長く維持する秘訣といえます。

墓石の赤い汚れでよくある3つの質問

墓石の赤い汚れでよくある3つの質問

墓石の赤い汚れでよくある質問として3つを取り上げました。それぞれについて回答します。

質問①赤錆以外の汚れの種類は?

墓石の汚れや劣化には多くの種類があり、赤錆だけではありません。主な汚れは次のとおりです。

  • 水垢:お墓の水鉢周辺や手の届きにくいところに溜まりやすく、定期的な掃除が必要。
  • コケ:湿気の多い時期に増え、放置するとこびりつく。一度こびり付くと、痕跡が残ることがあるため、定期的な手入れが推奨される。
  • シミ:お供え物のジュースやお茶が原因で発生することがある。また、硬水によるシミも発生しやすい。シミを防ぐためには、液体はしっかり拭き取ることが大切。
  • カビ:雨や湿気が原因で発生し、特に雨ざらしのお墓には注意が必要。放置するとシミが残ることもある。
  • 黒錆:磁鉄鉱が錆ることで発生。耐久性への直接的な影響は少ないが、墓石の酸化が進むと長期的にボロボロになる原因となる。

これらの汚れや劣化は定期的なお墓参りと掃除で予防できます。しかし、汚れや劣化が深刻な場合は専門業者に依頼することをおすすめします。

質問②サビ以外の汚れを落とす方法は?

サビ以外の墓石の掃除方法は次のとおりです。

  • 文字部分の掃除: 文字部分は凹んでおり、汚れが溜まりやすい。この部分は、歯ブラシや習字用の筆などで優しく掃除する。
  • 玉砂利のコケの除去: 玉砂利はコケが生えやすい。苔がついた場合は取り除き、新しい玉砂利を置く。
  • 墓石の艶出し: 御影石のような光沢のある石は、柔らかい布で磨く。
  • 墓石の黒ずみの対処: 水分の溜まる場所や墓石の繋ぎ目は黒ずみやすい。黒ずんだ部分は、水をかけて柔らかい布やスポンジで拭く。

墓石の掃除には注意が必要ですので、優しく、適切な方法で行いましょう。

質問③洗剤を使っても消えない汚れとは?

洗剤だけでは取れない汚れも存在します。長く放置された水垢は石のように固まってしまい、物理的な方法で削らなければなりません。

さらに、深く根付いた苔は、高圧洗浄機や強い除去剤が必要となります。これらの掃除作業は失敗すると墓石を傷つける可能性があるため、不安な方は専門業者にクリーニングを依頼した方が安全です。

まとめ

まとめ

お墓は我々の先祖やお参りする家族を思いやって、常に清潔で輝く状態を保ちたいものです。このような美しい状態を持続させるためには、定期的なケアが欠かせません。

こちらで紹介したアドバイスを活用し、墓石の美しさを長く維持しましょう。しかし、経験が少ない人が清掃するとかえって状況を悪くしてしまうケースもあります。自身のスキルに不安がある場合は、専門家に依頼することをおすすめします。

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